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グッとくる映画『最強のふたり』感想・レビュー

オススメの映画として教えてもらった「最強のふたり」。

前情報なしで観ましたが、実話を基に作られた話だそうで、すごく良い映画でした。

前半は映画情報、後半は私の感想でお届けします。ちょっとだけネタバレあり。

最強のふたり

作品紹介

最強のふたり』は、2011年のフランス映画。頸髄損傷で体が不自由な富豪と、その介護人となった貧困層の移民の若者との交流を、ときにコミカルに描いたドラマ。

2011年10月23日、第24回東京国際映画祭のコンペティション部門にて上映され、最高賞である東京サクラグランプリを受賞し、主演の2人も最優秀男優賞を受賞。また、第37回セザール賞で作品・監督・主演男優・助演女優・撮影・脚本・編集・音響賞にノミネートされ、オマール・シーが主演男優賞を受賞した。

あらすじ

車いすで生活している大富豪と介護者として雇われた黒人青年が垣根を越えて友情を結ぶ、実話を基にしたヒューマン・コメディー。

年齢や環境、好みも異なる二人が、お互いを認め合い、変化していくプロセスを描いていく。監督は、本作が長編4作目となるエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのコンビ。フランス本国のみならずヨーロッパで記録的なヒットを樹立した、笑いと感動に包まれた良質なコメディーを堪能できる。

シネマトゥディ

感想

とてもいい作品でした。ぜひ機会があれば見てほしい。

お互い面白がっている関係から徐々に仲良くなっていき、信頼しあう関係になるのはグッとくる。

障害を忘れて接するドリス

ドリスの目的は、介護の仕事をすることじゃなかった。職に就く気はなく、給付期間が終了間際となった失業保険を引き続き貰えるようにするため何でもいいから面接を受けに行っただけ。

障害者に関して詳しいわけでもなく介護をしたこともない。

フィリップが首から下を動かせないのを忘れて、ポイっと電話を渡したり、足の感覚がないのが不思議で熱いお湯をかけてみたりする。一般的にオイオイ、絶対ダメだろって思うようなことを平気でしちゃう。

それを面白がるのが障害を持つフィリップ。

フィリップは気難しい性格で、新しい介護人が決まってもどんどん辞めさせてしまう。

今まででドリスみたいな扱いを受けたことがなく、フィリップにとっては勉強をして障害者を理解しようとしている人よりも魅力的に映った。

病人として扱うのじゃなくひとりの人間として扱ってもらっている感じがしたんだろうね。

ドリスの悪ノリにフィリップもノったりして仲良くなり信頼し合っていくようになるが、どこかお互いを見下している。何だか学生のノリなんだよね。フィリップとドリスは年も離れているけど、フィリップにとっては懐かしい青春の気持ちだったんだろうな。

それぞれの環境

ふたりとも、悩みを抱えている。

フィリップは長年の文通相手が好きで、ドリスの計らいで電話をするようになるが、いざ会う約束をしても自分が障害者であることを知られたくないためにキャンセルしてしまう。

障害者でも大丈夫さってドリスは言うけれど、フィリップの性格は違うのだ。きっとドリスが介護人としてついていたらキャンセルなんて!と無理やり会わせるだろう、だから、ドリスにレストランについてこなくて良いと言う。ドリスの言う通りにしてたら上手く行ったと思うのに、やっぱり自信家のようで弱い部分があったんだね。もう!プライドが高いんだから。

フィリップは、今まで寂しかったんだろうな。フィリップ自身が遠ざけていた部分もあるけれど、「裕福」「障害者」という部分でドリスみたいにグイグイ感情をぶつけてくる相手が今までいなかったんだと思う。

ドリスは複雑な家庭環境。

貧困でドラッグや暴力が身近にある暮らし。抜け出すのは、なかなか難しい。

フィリップが高いお金を出して「芸術」に触れているのを見てもバカにしちゃうような、芸術を楽しんだりする余裕もない暮らし。そんな生活を送ってきたし、今も家族はそんな中にいるのだ。

対照的な暮らしをしてきたふたりでも、お互いの生活を尊重して、お互いの「これ良いよ」を取り入れてみるととても楽しくて、家庭環境とっぱらって「ふたり」で楽しむ姿が面白かった。

素直さ

ドリスの最大のいいところは素直なところ。

障害があることを特別視せずに、先入観も持たず、なんでできないの?どういうのがいいの?と素直に聞いて実行しているのが良かった。

相手に気に入られようと綺麗事を言ったり、自分を取り繕うことなく本音でぶつかる。

純粋に相手のことを知ろうとして行動する。

本気で怒って助言するし、良いと思うことは自分もやってみる。

常識がないところはハラハラするけれど、とても頼もしい性格で魅力的だった。

最後に

始まりは車でスピードを上げて走っている場面だが、最後に同じ場面に繋がる。

よく分からない始まり方だったけど、最後にみると「あぁ」と思う。

ドリスは介護をやめ、2人はそれぞれの道を歩むことになるのだが、最後のドリスの粋な計らいには涙した。

良い人とは言えないドリスが好きになり、気難しいフィリップの弱さや魅力も引き出されて、2人のことが好きになる。まさにベストなふたりの組み合わせなのだ。

友達同士のような素敵な関係。まさに「最強の(絆ができた)ふたり」という感じだった。

花犬のオススメ度。ヒューマンドラマが好きな人にはとてもオススメ。

グッとくること間違いなし。

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