ジム・キャリー主演のトゥルーマンショー、1998年の映画です。
オススメされたので観てみました。
前半は映画情報、後半はネタバレありつつ感想です。
作品情報
あらすじ
典型的なアメリカ市民・トゥルーマン。だが彼の暮らす環境は、どことなく不自然だ。それもそのはず、実は彼の人生は、隠しカメラによってTV番組「トゥルーマン・ショー」として世界中に放送されていたのだ!家族や友人を含めたこれまでの人生が全てフィクションだったと知った彼は、現実の世界への脱出を決意する…。メディアによって作られた人生の悲喜劇に、見事なリアリティを与えているジム・キャリーの熱演が光る傑作コメディ。
https://movies.yahoo.co.jp/movie/84338/story/
出演者
主人公はコメディアン俳優のジム・キャリー
この作品でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した。
感想
古い映像なので、最初はイマイチ。でも主人公が設定に気づき始めると一気に街の不自然さが際立ってくる。
グイグイ惹かれる映画ではないが、考えさせられる映画。
主演が明るい表情と演技が得意のジム・キャリーで良かった。
自分の生活、全部放送中
何て言うんでしょうか。今で言うテラスハウスのような。
テラスハウスは台本なし演出なしって謳っているから違うかな?水曜のダウンタウンの芸人を24時間監視するような感じが近いのかな?
この映画では主人公は友人とのささやかな自然な思い出もあり、結婚もしていて、何気ない毎日を日々過ごしている。
いつものように近所の人たちに挨拶して、仕事に行って。
街の人々も普通に生活してる。
でも、自然なのは自分だけだった。
周りの人たちは、全部演技。街を歩く一人一人がエキストラ。
町全体がセット。怖すぎる。生まれてから今まで全部。
結婚相手も演技、どこにでもあるカメラで自分の住んでいる街以外に常に24時間放送中。
実は街全体がすべてセットで、大きいドームで囲われていてどこにも行けないように、行こうとしないように、うまく誘導していて洗脳状態。
それって見てる人は面白いのかな?リアルドキュメンタリー的な?
卓球のあいちゃんが泣き虫だったのに、大人になり五輪に出て結婚して・・と言うのを勝手に親戚くらいの目線で「あいちゃん、大きくなって・・・」と言う目で見る感じなのかな?
映画を観る側としては
映画の映像でカメラの枠がついている映像の時とついていない時がある。そこで、これは劇中の視聴者目線だなって言う部分がわかる。
主人公も今まで気づかなかったのが不思議なくらいの不自然な部分もある。
主人公と話しながらも、急に視点を変えてカメラ位置に合わせて、持っている商品をきちんとカメラに映るようにして商品の細かい特徴や良い部分まで説明するように話し始めたりするところ。
一応テレビ番組なのでところどころにCMを入れないといけないらしくて、紹介しているのだ。
あんなの日常でやられたら怖いわ。
全部うそだと思ったら悲しい
育んできた友情も友達はセリフ、恋愛も相手がセリフを言ってるだけだとしたら悲しい。
街にいて関わっている人が全員演技だとしたら、主人公はもちろん、その人たちの生活でさえ嘘になるのではないか?
演技していないところではどうしているの?他の友情は本物で、主人公との友情だけ偽物?
設定的に無理がある気がする。
全部うそだと気づいた時の主人公は、とてつもなく悲しかったと思う。
この作品はジム・キャリーが主演だから明るく仕上がった作品だなと思った。
映画のラストでは、その世界から脱出できる扉までたどり着く。そこで全てを知ってしまったけどいつもと同じように挨拶をする。主人公は役者じゃないのだ。今までの自分は演技じゃない。いつもの明るい自分ということ。でもその明るさも「演技」なのかもしれない。誰もが現実社会で「明るく振る舞おう」とか「こういう自分になろう」と演技をしているから。
主人公が必死で出口にたどり着く、その脱出劇ですら感動の名場面として放送されているのは悲しい。
特に悪いことをしていない、良い人なのに、周りの演技をしている人たちは助けたいと思わなかったのが不思議。(実際は1人だけ主人公を助けようとしたが失敗、主人公が世界の不自然さに気付くきっかけにはなった)
最後に
「自分以外実は役者かも・・嘘かも」そう考えたことがある人もいるかもしれない設定。
視聴者は、プライバシーも無視して面白かったり感動できたらそれでいいと思っている。今回の映画はそんな視聴者に疑問を抱いてしまい、主人公が可哀想と思ってしまった。
でも、よく考えたら、今のメディアってそういうこと多くない?
芸能人のプライバシー関係なしに書き立てたり、放送したり。
SNSも、自分には関係ない芸能人の生活のことで悪口を言ったり面白がったり炎上させたり。
結局は現実のみんなも、私も、この映画の中に出てくる視聴者と同じなのかもしれない。そういう人が大半なのかもしれない。
麻痺しちゃっているのかもしれない。
花犬のオススメ度。
現代のメディアのことを考えると風刺とも言える作品。
しかしながら、自分や周りのことを見つめると、「演技」って日常のどこかには自然に紛れているのかも・・とも考えさせられる。
明るくはないが、暗くもない、多方向から考えさせられるそんな作品だった。
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